Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふたりのとも
新潮日本文学1 森鴎外集
Lesen Sie 新潮日本文学1 森鴎外集 (ふたりのとも) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.954 Zeichen · 29 Bildschirme
この旅はどこへ往った旅であったか知らぬが、朝旅宿を立ったのは霜の朝であった。もう温室の外にはあらゆる花と云う花がなくなっている頃の事である。山茶花も茶の花もない頃の事である。
サフランにも種類が多いと云うことは、これもいつやら何かで読んだが、私の見たサフランはひどく遅く咲く花である。しかし極端は相接触する。ひどく早く咲く花だとも云われる。水仙よりも、ヒヤシントよりも早く咲く花だとも云われる。
去年の十二月であった。白山下の花屋の店に、二銭の正札附でサフランの花が二三十、干からびた球根から咲き出たのが列べてあった。私は散歩の足を駐めて、球根を二つ買って持って帰った。サフランを我物としたのはこの時である。私は店の爺いさんに問うて見た。
「爺いさん。これは土に活けて置いたら、又花が咲くだろうか。」
「ええ。好く殖える奴で、来年は十位になりまさあ。」
「そうかい。」
私は買って帰って、土鉢に少しばかり庭の土を入れて、それを埋めて書斎に置いた。
花は二三日で萎れた。鉢の上には袂屑のような室内の塵が一面に被さった。私は久しく目にも留めずにいた。
すると今年の一月になってから、緑の糸のような葉が叢がって出た。