Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
わたくしはかなりの憤おりを感じました。親譲りの財産でもないかぎり、また有あまった収入の道があって体が暇な人がするお道楽なら知らず、食べないで働けるものではありません。昔の高僧とよばれる人でさえ、人間を救いながら喜捨はうけていました。与えられた食物を糧にして救いました。それがすこしも賤しい事でも何でもありません、立派な生活です。一本の敷島を煙にしてもそれだけの失費があり、自分の足で歩くのだといばっても、跣足ではあるけない世の中に衣食するものが、得るものがなくてなんで過してゆけましょう。ましてその人は、洋画家の収入の僅少なのを知っているのです。それに幼少な子たちさえおありになるあなたの御家庭が、なかなか費えのある事を思わず、またそうした苦悩をしのんでも、志した道に精進して、婦人の覚醒に力をつくされる、社会的な、広義な愛を――新人の味わう悲痛を知ろうとしないのに、憎らしささえ覚えました。
らいてうさま。あなたは、言うにいえない、人知れぬ苦い涙を、幾度お味いなさいましたろうとおいとしく思います。あなたは、優しい夫君、いとしいお子たちに取りまかれて、静かに出来るだけの日を静養なさいまし。