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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

――ええ、泳ぎますとも、まっぱだかで――とも書いたようだ。

――田沢湖は秋田です。うつくしい郡司の娘が、恋人を慕って身を投げたという湖は、それは先生、田沢という姓名からのお誤りでしょう。田沢いなぶねは、ピンピンしています。此処には、近くでは、大岸の池というのがあります。あたくし、真っ白な鵬に乗った、あたくしの水浴の姿を描きたいのですが、駄目ですわ――

そんなふうにも書いたことがあったようだったが――どうだろう、「蝴蝶」は、もっと前に出ているのだ――

錦子が、いくら呟いても仕方なかった。彼はとうとう大きな溜息をした。

錦子は、絵の具皿の中から、白と紅とが解けあったところを、指のさきに掬いとると、傍の絵絹の上へ、くるりと、女の腰の輪かくを一息に丸く描いて、その次には、上の方へもっていってポチリと点を打った盛り上をおいた。

その反対の方へむけて、腕の曲折を、ふっくらとつくると、それは、思いがけない生々しさで錦子の前へ、若い女が横たわって、羞恥を含んでいる――

「おお、蝴蝶どの、そなたの姿はわらわによう似ていられる――」

歌舞伎役者のせりふもどきで錦子は、満足した自分の体も、そこへ、その通りの姿態で肘を枕にして、ころがった。