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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

――小説にしようか、絵の修業をしようか――まとまりようのない空想が、あとからあとから湧いてくる。つい、うっとりとしていると、

「あら、これ、何なの?」

妹がその絵を、見ているのは好いが、その後から母も来る様子なのに、錦子は慌てた。

「その、小説の口絵を、真似たのよ。」

そう言って妹はごまかせても、母親の眼は恐い。絵の具が乾かないで、生々して見えるその尻の恰好は、娘の尻の肉つきそのままであることを母親は、一目で見破るであろう。乳首の出ぬ丸いさしぢちは?

――おお、まあ、なんてこの娘は、いやな――

と、呆れて、眼を反むけながら角立てるに違いはない。

いつも、いつも、お前はなんて早熟ているのだろうと呟く母親には、見られたくなかったので、錦子は跳おきると、乳房は朝にしてしまい、腰の丸味は盥にしてしまった。

錦子は、まったくませていた。売出しの小説作家、山田美妙斎に文通しだした。だが、小説「蝴蝶」の書かれたのは、二、三年前だが、近頃になって、「蝴蝶」の出ていた、『国民の友』の新年附録を、探し出して読みふけり、すっかり魅了され、心酔しつくしてしまった。そして、急に、グイグイ引き寄せられる気持ちになっている。