Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にちにちへいあん

日日平安

山本 周五郎

Lesen Sie 日日平安 (にちにちへいあん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.297 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

「ちょっと待って下さい」菅田平野は太息をついた。「――ひとつ考えてみましょう」

十郎太は伯母のほうへいった。どうやら策戦はすべて菅田平野に任せたというふうである。彼は伯母のそばへいって、菅田平野のことを話そうとした。おの女はすでに娘から聞いていたらしい、「知っていますよ」と云ってそっと笑った。それから彼女は、自害すると云ったのではなく、自害のまねをすると云ったのだそうで、だが、いざとなったら「自分で恥ずかしいような照れくさいような気持」になり、どうにもそんなまねはできなかったと云って、いかにも照れたように赤くなりながら笑った。

そのとき菅田平野がくしゃみをした。思案しながらまた鼻毛を抜いたのだろう、すばらしく大きなくしゃみなので、みんなびっくりして彼のほうへ振向いた。

「失礼しました」と菅田平野は云った。するとまたくしゃみが出た。「どうも失礼」と彼はみんなに目礼し、十郎太に云った、「――とにかくこうしましょう、井坂さん」

十郎太は彼のそばへ戻った。他の四人も集まった。菅田平野は云った。

「ほかに応急の手段もなさそうだから、まず密書を投じてかれらの動きをみるのです、かれらがもし密会所へ人数を出すとすれば、同時に陸田さんを奪回されないような方法もとると思う」