Japanische Klassiker mit Furigana
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あゆむ
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
戸田 豊子
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三) (あゆむ) von 戸田 豊子 (とだとよこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.183 Zeichen · 44 Bildschirme
なんて大した権幕なの。」
「あ、あの、おかみさんと来たら!」おふじが笑った。
「もう名代の女だもの。」
「そうお、でも、随分驚かすわね。」
翌日の公判闘争は果して失敗であった。組合員と少数の家族と松枝たち――合法的な傍聴券を持った六十人の人間が、サーベル護衛の下に静粛傍聴席を埋めたに過ぎなかった。しかし被告たちは無罪になり相な形勢だ――。
大衆党からお歴々の弁護士が来た。おふじは頭の禿げた押しの強そうな弁護士を頼もし気だと思って眺めた。
面会に行く時、胸から上だけを、見つけているのとは違って、今日は頭から足まで、完全な夫を見ることが出来た。留吉は別に弱ってもいなかった。
「村田留吉!」
彼の名が呼ばれた。文坊――父ちゃんだよ、おふじは坊やをぐんと揺り上げた。坊主頭――背の高い後姿、それから目がもやもやして来た、前掛けの上へぼたぼた落ちた。
「二三年臭いメシを食わせてやる!」始めて警察へ引張られた時刑事に言われた事が気になり出した。暮す先の不安が胸に迫った――だから、留吉の言ってることも始めは耳にも入らなかった。突然、皆なが怒号し出した。
「そうだ! そうだ! そこだぞ!」