Japanische Klassiker mit Furigana
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あゆむ
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
戸田 豊子
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三) (あゆむ) von 戸田 豊子 (とだとよこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.183 Zeichen · 44 Bildschirme
「今から考えると、かなり牧歌的なもんだけど――」
飢饉、不作、旱魃の秋にはどんな殺気立った掛合が、時には決死的でもある、小作人が、地主の家へ押しかけて来るか――そんな時は地主の心が石になり鋏になり刺になり、人の親でも子でも隣人でもなくなる不思議さ――について見ていた。大地主でさえあれば、どんな馬鹿でもカバでも県議や国議になれることや、そこから更に、小作や、小農のうだつにかけるくびきが、制度的に再生産されてくること――についても、或る観察を持っていた。
(もし、お父さんがここの田地を皆貴方に下すったらどうなさるの)
(面倒くせい、早速売っ払って洋行でもするな)
……そんな山本だった。村端れには広大な地域に渡る自家の落葉松林があったが、閑な二人はよく其処へ寝そべりに行った、そこでの、木一本、小さな菌類、土、虫、こぼれ葉のはてまでが、婉曲に所有者の有頂天を甘やかし、媚びていたのかも知れない。とに角非常に気に入っていた、或る時もそんな山本と一緒に歩いていると、突然、彼が立停り、非常な大声で喚いた、「誰だっ!」畜生!
その時位昂奮しきった彼の顔を、とも子はまだ見たことがなかった。