Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.885 Zeichen · 27 Bildschirme
どっちが正しいかといえば、おそらく両方とも正しいというほかはないだろうが、生みの母親の言葉だけに、自分で萱笠を編む姿にかれの本心があらわれていると思えた。
――それが本当の大三郎さまなのだ、あきつはそっと心のなかで呟やいた。お母上もあの子は思い遣りの深い、細かいところへよく気がつく性質だと仰しゃった。それを人に知られるのが厭でわざわざ粗暴をまねているのだ、……そうも仰しゃった、それがほんとうなのだ、しんそこはきっとお心のやさしい方に違いない。あきつはそう思うのといっしょに、自分の心がつよく大三郎のほうへ惹きつけられるのを感じた、それは胸に燈でもともったような、まったく新しい感情だった、はじめのうちは、お帰りなさるまでお母上に仕えよう、お帰りになったらすべてを申上げて、赦すというお言葉を頂いてこの家を出よう、堅くそう思いきめていた、それが日数の経つうちに少しずつ変ってゆき、下婢でもよいからこの家にいられたら、そう考えるようになり、やがては、――もしかして吉村の嫁になれたら、などと思う自分に気づき、うろたえながら独りで赧くなることさえあった。
長篠の合戦に勝った徳川家康は、この機会に武田氏の勢力を駆逐すべく、軍をめぐらして二俣城を攻め、光明寺城を抜き、七月には諏訪ノ原城を陥しいれ、さらに高天神へと鉾を向けた