Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんだっしゅつき
日本脱出記
大杉 栄
Lesen Sie 日本脱出記 (にほんだっしゅつき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.254 Zeichen · 151 Bildschirme
ただウィスキーが一番うまいようなので、毎日茶匙に一杯ずつ紅茶の中に入れて飲んでいたが、それだけでもやはりちょっと苦しいくらいの気持になる。
フランスに来てからは、いや上海からフランス船に乗って出てからは、食事のたびに葡萄酒が一本食卓に出るのだが、最初ちょっとなめて見てあんまり渋かったので、その後は見向いてもみなかった。
けれども、牢にはいってみて、差入れ許可の品目の中に葡萄酒とビールの名がはいっているのを見出して、怠屈まぎれにそのどっちかを飲み覚えようと思った。ビールはにがくていけない。葡萄酒も、赤いんだと渋いが、白いんなら飲んで飲めないこともあるまい。女子供だって、お茶でも飲むように、がぶりがぶりやっているんだから。と、きめて、ある日、差し入れの弁当のほかに、白葡萄酒を一本注文した。
Ca va ! Ca va ! というのは、よかろうよかろうくらいの意味だ。
きのうは大ぶ渋かったが
きょうは少しあまし
飲みそめの
Vin blanc
Vin blanc(白葡萄)でも渋いことはやはり渋い。が、ほんのちびりちびり、薬でも飲むように飲む。そして、ほんのりと顔を赤らめながら、ひまにあかして一日ちびりちびりとやって、いい気持になってはベッドの上に長くなっていた。