Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lesen Sie 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.813 Zeichen · 302 Bildschirme

Aozora Bunko

その時、大学生の青木が、布施という友達と一緒に、この茶店へ入って来た。「やあ」という声は双方から一緒に出た。相川の周囲は遽然賑かに成った。

「原君、御紹介しましょう」と相川は青木の方を指して、「青木君――大学の英文科に居られる」

「ああ、貴方が青木さんですか。御書きに成ったものは克く雑誌で拝見していました」と原は丁寧に挨拶する。

青木は銀縁の眼鏡を掛けた、髪を五分刈にしている男で、原の出様が丁寧であった為に、すこし極りのわるそうに挨拶した。

「是方は」と相川は布施の方を指して、「布施君――矢張青木君と同級です」

布施は髪を見事に分けていた。男らしいうちにも愛嬌のある物の言振で、「私は中学校に居る時代から原先生のものを愛読しました」

「この布施君は永田君に習った人なんです」と相川は原の方を向いて言った。

「永田君に?」と原は可懐しそうに。

「はあ、永田先生には非常に御厄介に成りました」と布施は答えた。

「青木君、洋服は珍しいね」と相川は笑いながら、「むう、仲々好く似合う」

「青木君は――」と布施は引取って、「洋服を着たら若くなったという評判です」

「どうも到る処でひやかされるなあ」