Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Lesen Sie 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.813 Zeichen · 302 Bildschirme
もとより、大塚さんがおせんと一緒に成った時は、初めて結婚する人では無かった。年齢が何よりの証拠だ。しかし親戚や友人が止めたように、八年前の彼は二十に成るおせんを妻にして、そう不似合な夫婦がそこへ出来上るとも思っていなかった。活気と、精力と、無限の欲望とは、今だに彼を壮年のように思わせている。まして八年前。その証拠には、おせんと並んで歩いていた頃でも、誰も夫婦らしくないと言った眼付して二人を見て笑ったものも無かった。すくなくも大塚さんにはそう思われた。どうして、おせんが地味な服装でもして、いくらか彼の方へ歩び寄るどころか。彼女は今でもあの通りの派手づくりだ。若く美しい妻を専有するということは、しかし彼が想像したほど、唯楽しいばかりのものでも無かった。結婚して六十日経つか経たないに、最早彼は疲れて了った。駄目、駄目、もうすこし男性の心情が理解されそうなものだとか、もうすこし他の目に付かないような服装が出来そうなものだとか、もうすこしどうかいう毅然とした女に成れそうなものだとか、過る同棲の年月の間、一日として心に彼女を責めない日は無かった――
三年振で別れた妻に逢って見た大塚さんは、この平素信じていたことを――そうだ、よく彼女に向って、誰某は女でもなかなかのシッカリものだなどと言って褒めて聞かせたことを、根から