Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

そこから金にしてもらったり、白米で渡してもらったりしたものでね。清元の唄にある――首尾の松が枝竹町のって――百本杭の向う河岸の、お船蔵の首尾の松さ、あすこにわれわれのもらう、幕府の米がうんとうなっていても、そりゃもう我々のものじゃないって訳でね。」

「どうしてお金にしてしまうの?」

「そこがね、どうも、ちっとお話にならない訳でね。」

藤木さんは頭をクルクル撫でた。すると祖母が赤い胴の着物をもって来て、

「寝間着の丈が短くて、足がつめたいとお言いだそうだが、長いのが間にあわないから私の下着を着て寝たらよい。」

「へえ?」

さすがの藤木さんも鹿の子模様の赤い絹の胴をつまんで、呆れた顔をして言った。

「結構でございます。だが――いやに思わせぶりっていうわけで、有難いような、嬉しいような――百貫めの借銭負うて、紙衣着た伊左衛門じゃないが、昔をいやに思いださせるね。尤も伊左衛門っていう柄じゃなかったってね。そうそう、あかい胴の方が似合う、お軽っていう役どころさ。――え? なんだって、猿芝居だって? 戯談じゃないよ、廻りの八丈の方が本役だって? そうですよ、そうだよ。