Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
と書いては焼火箸をつきさしていたという、怪談ばなしの本家江島屋の、後家になった娘のすんでいた格子戸づくり、それからどこかの荷蔵があって、丁度滝床の向うが、吾平さんという馬具屋であった。
吾平さんは顔の大きな、鼻も大きな、眼のちいさい人で、たっぷりした白髪をなでつけ、大きな鼈甲ぶちの眼鏡を鼻の上にのせて、紫に葵を白くぬいた和鞍や、朱房の馬連や染革の手甲などをいじっていた。鞭とか、馬びしゃくとかいったものは一かたまりずつになって沢山上から釣してあった。漸く一間半位の間口だったが、賑やかな見あきない店で職人もせわしく働いていた。前を通るとニカワを煮る匂いがした。
村上という医者の家が一番変っていた。どんな時、誰がどんな病気でも、あんぽんたんが薬をもらってくる時、変だなあとおもうのは、練薬と膏薬の二種だけだった。練薬は曲物に入れ、膏薬は貝殻に入れて渡した。
敷石を二、三段上って古板塀の板戸を明け一足はいると、真四角な、かなりの広さの地所へ隅の方に焼け蔵が一戸前あるだけで、観音開きの蔵前を二、三段上ると、網戸に白紙が張ってある。くぐりをあけてはいると、ハイカラにいえば二階はあるが一間の家で、入口の横に薬の名を書いた白紙を張りつけた、引出しの沢山ある薬だんすがおいてあった。