Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
だから向うでも長い日のうちには、私は半日いようと邪魔にならない存在になって、ちょいとした留守番もする。そこらにのそのそしていても、猫とおんなじ位の身うちあしらいだった。ある時おじさんがうんうんいって押入れの葛籠を引っぱりだして暑いのに何をはじめたんですとおしょさんが小言をいった。
古い錦絵――芝居の絵を沢山に張った折本を、幾冊かだしてくれた。私の家にもそれらはいくらかあった。だが、ここのように系統だって集めたものではない。夫婦は熱心に、これはなんという役者で誰の弟子、当り芸はなにで、こんな見得をした時がよかったとか、この時の着附けはこうだとか、誰の芸風はこうで彼はこうと、自分たちの興味も手つだってよく話してくれた。
小伝馬町の古帳面屋の店蔵の住居の二階で時折見かける、盲目で坊主頭のおばあさんが、おしょさんのうちにも時々来てとまっていた。
紺ぽい麻の単物を着て、唐繻子の細い帯をキチンとしめている盲目のお婆さんは、坊主頭でもいきな顔立ちだった。彼女は縁側にちかい伊予簾のかげに茵を敷いていて――縁側には初夏ならば、すいすいと伸びた菖蒲が、たっぷり筒形の花いけに入れてあったり、万年青の鉢があったり石菖の鉢がおいてあったりした。