Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
亀吉の精悍さが眼立ちもしたが、平三の背景は亀吉とちがって、おおかめさんの連合が若い時分、吉原の年明けの女郎が尋ねてきたのを、車力宿で隠囲ってやっていたというのが、不心得で、親たちがおおかめさんに忠義でないといわれるぐらいだった。
おおかめさんの風貌を、もすこし委しくいえば、体の大きさと眼との釣合は鯨を思えばよかった。鼻は、眼との均衡がよいほどだが、竪に見えるほどの穴が実に大きい。私は古面展覧会で鎌倉期の、だれだかの作で、笑った女の面が、眼も鼻もなく、顔の真中につぼまって、お出額と、頬っぺたと、大きなに埋まってしまって、鼻の穴だけが竪に上をむいた、いかにも親しみやすい平民の女の顔を見たとき、ふっと、おおかめさん一族の女に共通だったものを見て、お面に笑いかけてしまった。けれど、古面の方は眼が糸目なので――開いても柔らかいであろうが――おおかめさんは、小さな眼が、奥のほうで濁った鋭さをもっていた。
おおかめさんとは、大旦那に対する、大内儀さんの意味で尊称なのであろうが、自分でいうとおおかみさんになり、出入りの相撲さん×山関がいうとおおかめさんとなる。狼がいいというものと、大お亀の方が縁起がいいというものと、どっちもごっちゃだ。