Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
のとなりが森田清翁という、これも出入りの菓子や。十月十九日べったら市の日には店へ青竹にて手すりを拵らえ、客をはかって紅白の切山椒を売りはじめます。たいした景気、極々よき風味なり。向側の「かめや」にても十九日にはやはり青竹にて手すりをこしらえ、柏餅をその日ばかり売ります。エビス様の絵の団扇を客にだしました。この家は神田小柳町からの大火で店蔵をおとして、主人が気が変になって、四、五年の後店もなくなりました。通油町の大通りの向う側の横町は南新道、それとならんだ通りが大丸新道、この一丁は、大丸の土蔵の窓――裏側なのです――に金網が張ってあり、湯殿も、台所もみなおなじ。
以上、老母からの手紙は、辿々しい文ではあるが、大丸という大呉服店を通して、そのうらのお店ものの奴隷生活がうつしだされている。一年に一度の、この目覚ましい慰安的な、解放したようでその実解放しない、人目を眩す華々しいやり方と、終りの方に書いてある、窓々の金網のことを見すごすことは出来ない。
あたしは震災の幾年か前、ある怪談会が吉原水道尻の引手茶屋で催された時にいって、裏の方から妓楼の窓を見たことがある。