Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme
この広い店、中央の羽根つき場になる個所はずっと天井が高く、明りとりになっていて廻りだけにぐるりと二階がある。お客を接待する座敷の方は立派できれいだが、それでも薄暗かった。なぜなら、中央の広場の方の手すりから光りはくるが、肝心な表通りへ面した方には、たしか窓もない盲目建だったからである。窓があったとしても、小さなので、細かい、格子ででもあったのであろう。そこから明りがさしたようには覚えていない。床の間には、小谷さんの娘さんがさした、大きな松竹梅の生花が飾ってあった。合宿室も、そうした二階のそこらにあった。台所に近い蔵前には、各自の姓名をかいた雑煮箸の袋が、板張りに添って細い板割で造った、幾筋かの箸たての溝に、ずらりと並んではさんであった。
ある番頭が、羽根を突いていて、暑くなったので糸織の羽織をぬいで小僧に渡した。羽織の裏は大きな帆かけ船があって七福神が乗っているのだった。宝と書いてある帆は繻子で盛上っていた。帆づなの金糸をひくと、帆がひっくりかえって――アンポンタンは多分宝ものが沢山積んであるものだろうときめていたからよく見もしないで、蜜柑まきのみかんを拾うのに無中だったが、その船のうちこそ、彼らが給料をのこらずかけたといってもよい、手のこんだ不思議な細工だということであった。