Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

どうもまだノーノー、ヒヤヒヤが分明しないという訳なのだった。書生たちまでが一緒に並んでその稽古をやる。父はハイカラな礼服だが、朝からの祝酒に、私が大きらいな赤黒い色になっている。手はずしてあった個処で、合図を忘れるので、ファン連は、困りきって、演説を暗誦しておこうと努力したが父は面倒くさがっていた。俺が、このコップをこうあげたらヒヤヒヤだ、机の此処へ手をやったら否だ。こういう風になったら拍手だと教える。だが、やって見るとノーノーもヒヤヒヤも拍手も入交ぜとなる、何度繰返してもおんなじなので、まあいいやということになってしまった。今の言葉ならばそれが自然だというところだったろうが――

聴衆は表の通り一ぱいの黒山だった。解ったのか解らないのか、ともかくとてもおめでたい事という概念と、はちきれるほど一ぱいなお祭り気分で、ノーノー、ヒヤヒヤ、拍手喝采、何もかもメチャクチャに景気よく、弁士を胴上げにして家まで送って持って来た。そのあとが馬場勝一派の長唄――馬場は浅草橋の橋手前、其処に住む杵屋勝三郎といった長唄三味線の名人、夜一夜唄うにまかせ、狂うにまかせ、市中は明るい不眠症にかかって、そこら中で花瓦斯が燃え酒樽が空いた。