Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Lesen Sie 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.045 Zeichen · 322 Bildschirme

Aozora Bunko

私ははじめ猿芝居かと思っていたがそうではなく、といって、見物に小銭で食物をやらせるのばかりが商業でなく、猿を買出しにくる人もあったかも知れないが、貸猿がおもなのだから、猿廻しの問屋とでもいったらよいかもしれない。

ざわざわと人の多い、至るところ細い道だった。毎年冬になると鯨の味噌漬の樽がテンコツさんからの到来ものだった。大橋の下へ船がついたからとりにいってくれといってよこした。で、このせまい町から、ある年の冬火事をだしたおり、荷物は大橋から船へ積めと手伝いにゆく者たちはいっていた。

その時の火事は大きかった。江戸時代の残物で、日本橋区内のコブであった汚ない町が一掃されたが、哀れな焼け出されも沢山あった。一度眠った私の家が叩き起された時は、大門通り一ぱい火の子がかぶっていた。家々では大提燈を出して店の灯を明るくした。酒屋はせわしげで、蕎麦屋は火をおこし、おでんの屋台はさかんに湯気をたてた。纏がくる、梯子がつづく、各組の火消が提燈をふりかざして続いてくる。見舞人が飛ぶ。とても大通りは通られはしない。

子供たちは角に立って、ガクガクして飛んできておちくだける火の子の華を眺めていた。