Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあんよめもんどう

明暗嫁問答

山本 周五郎

Lesen Sie 明暗嫁問答 (めいあんよめもんどう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.984 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

お笛

こともないというわけですね、それで思いだしましたが、瀬沼さんがたいへん口惜しがっておりましたよ」

「瀬沼がなにを口惜しがっていたんだ」

「残念だが高滝どのには敵わない、自分も真柏ではずいぶん苦心したが、とうてい高滝どののようなみごとな花は咲かされぬと」

「人をばかにするな」勘太夫は赤くなってどなった、「誰がどう苦心したって真柏に花が咲くか」

「それは、それはふしぎな」

「きさまのほうがよっぽどふしぎだ、これ、こっちへ向いてみろ」勘太夫はまた眼鏡をとり、甥の顔を穴の明くほど睨みつけた、「きさま、またなにかねだる積りだな」

お笛

「伯父上、助けてやって下さい」と直二郎は間髪を容れず斬り込んだ、「気の毒な身の上の者なんです、生れるとすぐ父に死なれ、育ちざかりに母親も喪ないまして、陋巷の塵にまみれた有るに甲斐なき月日を送り、今また救いようのない泥沼の底へ沈もうとしております。私のちからで及ぶことならお願いは致しませんが、ぬきさしならぬ事情で」

「ならんならん、ならんぞ」勘太夫は激しく頭を振った、「どうもさっきから妙にごまをすると思ったら果してこれだ、ならん、もうおまえには騙されん、理由のいかんに拘わらず鐚一文ださぬからそう思え」