Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいあんよめもんどう

明暗嫁問答

山本 周五郎

Lesen Sie 明暗嫁問答 (めいあんよめもんどう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.984 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

薄茶

めに遭わされるぞ」

戦いは攻めるに如かずという、老人はこっちから敵の本拠へ乗り込む計略に出た。……そして或る風の涼しい日の夕方、前触れなしに勘太夫は茶室を訪れ、茶を所望した。

薄茶

「よい新茶がはいりましたので、お恥かしゅうございますが、おはこびを願いに出ましょうと存じておりました」そう云って、いかにも嬉しげにお笛は煎茶のしたくをした、「なにもお菓子がございませんで申しわけございません、お口よごしでございます」

香り高い新茶に添えて、鉢に香物を盛ったのを出した。勘太夫は部屋の中をじろじろ眺めまわしていた、塵もとめぬゆき届いた掃除である、床間には古風な錆着きの鉄鉢にそなれの一枝が活けてあった、なかなかこころ憎い好みである、勘太夫はふんと鼻をならし、やおら茶碗を手に取ったが、そのときはじめて鉢の香物に眼をとめた、老人はしめたという顔をした、

「これは香物だな」

「はい」

「町人や農家は知らぬが、武家では茶うけに香物などということはないぞ、他人に見られたら高滝の恥じになる、それほどのことがわからんでどうするか」

「心づかぬことを致しました、以後は気をつけまする、どうぞご免下さいます