Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあんよめもんどう
明暗嫁問答
山本 周五郎
Lesen Sie 明暗嫁問答 (めいあんよめもんどう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.984 Zeichen · 43 Bildschirme
一人の男が、行灯の光のなかへぬっと姿を現わした、盲縞の長袢纒に細い平ぐけ、手拭で頬冠りをしている。どうしたってこの屋敷にいる人間ではない、お笛は濡縁の障子のほうへ眼をやりながら、いざといえばそこが逃げ口と見当をつけた。
「お笛、久しぶりだったな」男は端折っていた裾をおろし、頬冠りをとった、「おれだよ、まさか忘れやあしめえなあ」
「ああっ、おまえは長吉さん」
「兄さんとは云わねえのかい、へっへ、おらあずいぶん捜したぜ」そういいながら、男はずっかとそこへあぐらをかいて坐った、「なにしろおめえには元手が掛ってる、七つの年から孤児になって、飢死もし兼ねないところを親父が拾いあげ、おれも妹のように可愛がって育てた、ようやく丈も伸び愛嬌もついて、これからちっとは恩返しもして貰おうというときに、いきなり後足で砂を蹴るようなどろんだ、だがなあお笛、天道さまは見とおしだ、百日余り足を摺子木にしたお蔭で、ようやくこことつきとめて来た、お笛、こう云うからにあおめえだってもうじたばたしやあしめえ、早いとこ出掛ける支度をしてくんな、おらあこの頃めっきり気が短くなっちまった」