Japanische Klassiker mit Furigana
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めいあんよめもんどう
明暗嫁問答
山本 周五郎
Lesen Sie 明暗嫁問答 (めいあんよめもんどう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.984 Zeichen · 43 Bildschirme
ことになっております、福山ではいかがでございますか」
「どうだか知らんが、廊下へ欠伸をしにゆくので金が入用だとでも云うのか」
「そうではございません」直二郎はおちつきすましていった。「事務を執っていて欠伸は不作法ですから廊下へ出てやります、そのときどうして立つのだと訊かれましても、かようかようなしだいで欠伸をしにまいるとは申し兼ねます、また上厠など致すばあいでございましても」
「よしよしわかった、詰りひと口にいうと金の用途は云えないと申すのだろう」
「いや申上げられないのではございません、ただ申上げにくいのです。伯父上のお耳に入れるほど重要なことでもなし、却ってそんな詰らぬことを一いち聞かせるなどお叱りを受けそうでございますから」
「……ふむ」老人は単純だからこういう風にうまくもちかけられるとつい折れてしまう、「では宗兵衛に申して持ってゆくがいい、しかしあんまり欠伸をしに立って貰わぬほうがいいな」
今後は控えますというがまた暫くするとねだりかける、なにしろその呼吸がすばらしくいいのだ、まるで剣術の気合といった感じで、こっちの隙を巧みに捉えてはずばっと斬り込んでくる。