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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

金は勿論であるが、櫛でもかんざしでも、煙草入れでも、眼に触れるものは何でも逃がさなかった。それも最初のうちはあやまって堪忍されたのであるが、あまりにそれが度重なるので、ほかの芸人がすべて彼女と一座するのを嫌うようになった。結局かれは香具師のなかまから構われて、どこの小屋へも出ることが出来なくなった。

お紺はよんどころなく商売をやめて、そこらを流れ渡っているうちに、吉原の或る女郎屋の妓夫と一緒になって、よし原の堤下の孔雀長屋に世帯を持つことになった。亭主も元より身持のよくない男であったが、お紺は亭主を持っても大酒をやめないで、その内証はひどく苦しかった。夏が過ぎても、かれは白地一枚のほかには洗い替えの浴衣すら持たなかった。近所となりの者もお紺の家とは附き合わないようになった。

こうなると、かれの悪い癖はいよいよ増長して来た。お紺は方々の店先で手あたり次第に品物を掻っさらった。しかも或るところでそれを見つけられて、店の者に袋叩きにして追い払われたことがあったので、その苦い経験から彼女は一種の味方を作ることを考え出した。彼女はそこらにさまよっている野良犬のなかで、性質の獰猛らしいのを二匹も拾いあげた。