Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
起って歩くかと思うと、這ってあるいた。その以上にはお滝はなんにも記憶に残っていないとのことであった。併しこんな奇怪なあいまいな申し立てを、係りの役人は容易にほんとうとは受け取らなかった。お滝はそのままに番屋に止められてしまった。
お照もお浪も無論に調べられた。お浪は仔細ないと認められて一と先ず釈されたが、お照は申し口に少し胡乱の廉があるというので、これも番屋に止められた。これだけのことが決まったのは、その日もやがて午に近い頃で、月番の行事や近所の人達がお照の家に寄り集まっていろいろに評定を凝らしたが、差し当りはどうするという分別も付かなかった。この上は然るべき親分の力を藉りるよりほかはあるまいというので、お照もお浪もかねて半七を識っているのを幸いに、お浪は着のみ着のままで神田まで駈け付けたのであった。
「そりゃあちっとも知らなかった。十手に対しても申し訳がねえ」と、半七はすこし驚かされた。「なにしろ変なものが飛び込んだものだね。子供のような真っ黒なものかえ」
「お滝はそう云っているんです」と、お浪も腑に落ちないような顔をしていた。
「猿じゃありませんかね」