Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
わたくしの少し先を一人のお武家さんが歩いておいででございまして、その又すこし先に、十四五ぐらいかと思うような小僧が菅笠をかぶって歩いて居りました」
「その小僧は着物をきていましたかえ」
「暗いのでよく判りませんでしたが、黒っぽいような単衣を着ていたようです。それが雨あがりの路悪の上に着物の裳を引き摺って、跣足でびちょびちょ歩いているので、あとから行くお武家さんが声をかけて……お武家さんは少し酔っていらっしゃるようでした……おい、おい、小僧。なぜそんなだらしのない装をしているんだ。着物の裳をぐいとまくって、威勢よく歩けと、うしろから声をかけましたが、小僧には聞えなかったのか、やはり黙ってびちょびちょ歩いているので、お武家はちっと焦れったくなったと見えまして、三足ばかりつかつかと寄って、おい小僧、こうして歩くんだと云いながら、着物の裳をまくってやりますと……。その小僧のお尻の両方に銀のような二つの眼玉がぴかりと……。わたくしはぎょっとして立ちすくみますと、お武家はすぐにその小僧の襟首を引っ掴んで堤下へほうり出してしまいました。そうして、ははあ、河童だと笑いながらすたすたと行っておしまいなさいました。