Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
かれは程近い円通寺のお祖師様へ日参をはじめた。
四
津の国屋の女房お藤の怪我はどうもはかばかしく癒らなかった。何分にも足の痛みどころであるから、それを悪くこじらせて打ち身のようになっても困るという心配から、そのころ浅草の馬道に有名な接骨の医者があるというので、赤坂から馬道まで駕籠に乗って毎日通うことにした。
七月の初め、むかしの暦でいえばもう秋であるが、残暑はなかなか強いのと、その医者は非常に繁昌で、少し遅く行くといつまでも玄関に待たされるおそれがあるのとで、お藤は努めて朝涼のうちに家を出ることにしていた。けさも明け六ツ(午前六時)を少しすぎた頃に津の国屋の店を出て、お藤は待たせてある駕籠に乗る時にふと見ると、一人の僧が自分の家にむかって何か頻りに念じているらしかった。この間じゅうからいろいろの禍いがつづいている矢先であるので、お藤はなんとなく気にかかって、そのまま見過ごしてゆくことが出来なくなった。かれは立ち停まって、じっとその僧の立ち姿を見つめていると、彼女を送って出た小僧の勇吉も、黙って不思議そうに眺めていた。
僧は四十前後で、まず普通の托鉢僧という姿であった。