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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

托鉢の僧が店のさきに立つ――それは別にめずらしいことでもなかったが、ここらでかつて見馴れない出家であるのと、気のせいか彼の様子が何となく普通とは変って見えるので、お藤は駕籠によりかかったままでしばらく眺めていると、僧はやがて店の前を立ち去って、お藤の駕籠のそばを通りすぎる時に、口のうちでつぶやくように云うのが聞えた。

「凶宅じゃ。南無阿弥陀仏、なむあみだぶつ」

「あ、もし」と、お藤は思わず彼をよび止めた。「御出家様にちょいと伺いますが、何かこの家に悪いことでもございますか」

「死霊の祟りがある。お気の毒じゃが、この家は絶えるかも知れぬ」

こう云い捨てて彼は飄然と立ち去った。お藤は蒼くなって跛足をひきながら内へころげ込んで、夫の次郎兵衛にそれを訴えると、次郎兵衛も一旦は眉を寄せたが又思い直したように笑い出した。

「坊主なんぞは兎角そんなことを云いたがるものだ。ここの家に怪我人がつづいたということを何処からか聞き込んで来て、こっちの弱味に付け込んでなにか嚇かして祈祷料でもせしめようとするのだ。今どきそんな古い手を食ってたまるものか。きっと見ろ。あした又やって来て同じようなことを云うから」