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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

で、その娘は美い女だと云ったな。面をむき出しにしていたのか」

「いいえ、頭巾をかぶっていたそうです」

「そうか。そうして、その娘は駕籠に乗り馴れているらしかったか」

「さあ、そこまでは聞きませんでした。なにしろ真人間じゃあねえらしいから。そこはなんとか巧く誤魔化していたでしょうよ」

「もう一遍きくが、その娘は十七八だと云ったな」

「そうです。そういう話です」

「いや、御苦労。おれもまあ考えてみようよ」

岩蔵は親分の前を退がって、ほかの子分どもの集まっている部屋へ行った。そうして大きな声で、水茶屋の娘の噂か何かをしているのを聴きながら、七兵衛は長火鉢の前でじっと考えていたが、やがて喫いかけている煙管をぽんとはたいて、ひとり言のように云った。

「わるい悪戯をしやあがる」

日がくれてから七兵衛は葺屋町の家を出て、浅草の念仏堂の十夜講に行った。その途中で、念のために、柳原の堤を一と廻りして見ると、槍突きの噂におびえているせいか、長い堤には宵から往来の足音も絶えて、提灯の火一つもみえなかった。昼から陰っていた大空は高い銀杏のこずえに真っ黒に圧しかかって、稲荷の祠の灯が眠ったように薄黄色く光っているのも寂しかった。