Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
かた手に数珠をかけている七兵衛は小田原提灯を双子の羽織の下にかくして、神田川に沿うて堤の縁をたどってゆくと、枯れ柳の痩せた蔭から一人の女が幽霊のようにふらりと出て来た。
七兵衛は暗いなかでじっと透かしてみると、女の方でもこっちを窺っているらしく、やがて摺り抜けて両国の方へ行こうとするのを、七兵衛はうしろから呼び戻した。
「もし、もし、姐さん」
女はだまって立ち停まったが、又そのままに行き過ぎようとするのを、七兵衛は足早にそのあとを追って行った。
「おい、姐さん。このごろは物騒だ。私がそこまで送って上げようじゃねえか」
こう云いながら、かれは隠していた提灯をその眼先へ突き付けようとすると、提灯はたちまち叩き落された。こっちは内々覚悟していたので、すぐその手首を捕えようとすると、両手はしびれるほどに強く打たれて、数珠の緒は切れて飛んでしまった。さすがの七兵衛もはっと立ちひるむひまに、女のすがたは早くも闇の奥にかくれて、かれの眼のとどく所にはもう迷っていなかった。
二
「あれが化け猫か」
追ってもとても追い付きそうもないのと、また執念ぶかく追いまわす必要もないのとで、七兵衛は先ず足もとに叩き落された提灯を拾おうとして、身をかがめながら暗い地面を探っている時、どこから現われたのか、一つの黒い影がつかつかと走っ