Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
「この仏さまをお前さんは知っているのかえ」と、半七は泥だらけになっている仏像を小坊主の眼のさきへ突きつけると、かれはそれをうやうやしく受け取って、自分の法衣の袖のうえに乗せた。
「おまえさんのお寺はどこだね」と、半七はまた訊いた。
「時光寺でございます」
「むむ。時光寺か」
半七はあらためてその小坊主の顔をみた。かれは色の白い、眼の大きい、見るからに利口そうな少年であった。
「じゃあ、このあいだ和尚さんの一件のあったお寺だな。そこで、その仏さまはお前さんが落したのかえ」
「今ここで見つけたのです」
「じゃあ、おまえさんのじゃあ無いんだね」
小坊主はその返答に躊躇しているようであったが、結局、これは自分の寺のものであるらしいと云った。
「お寺の物がどうしてこの溝のなかに落ちていたんだろう」と、半七はかれの顔色をうかがいながら訊いたが、小坊主はやはり何か躊躇しているらしく、口唇をむすんだままで少しうつむいていた。
この小さい仏像について何かの秘密があるらしいと睨んだので、半七はたたみかけて訊いた。
「和尚さんはここらの溝のなかに死んでいたんだそうだね」
「はい」
「そこにその仏像が落ちていて、しかもそれがお寺の物だという。