Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
一件の船というのを見せてくれ」
「船はそこに繋いであります」
金八は先に立って河岸に出ると、かの屋根船も杭につながれていた。折りからの引き汐で、海に近いここらの川水は低く、岸のあたりは乾いていた。小さい桟橋を降りて、二人は船のそばに立った。
「おれは素人でわからねえが、どうして水が漏ったのだろう。やっぱり底が傷んでいたのかな」と、半七は云った。
「さあ」と、金八は首をかしげた。「船が古くなって、底が傷んだのだろうというのですがね。成程、古くはなっているが、水が漏るほどの事はありませんよ。親方はうっかりした事をしゃべるなと云うので、わっしは黙っていますがね。どうもこりゃあ誰かが仕事をしたのだろうと思うのですが……」
「どんな仕事をしたのだ」
「誰かが抉ったのですよ。醤油樽の呑口のようにはなっていねえが、船底の少し腐れかかっている所を、むしったように毀して置いて、いい加減に埋め木でもして置いたのでしょう」
「そんなことは素人に出来る筈がねえ。千太の野郎がやったのかな。浅井の人たちを砂村へ送りつけて、その帰るのを待っているあいだに、千太が何か仕事をしたのだろう。それで野郎、逃亡たのだな」