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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

これじゃあ御家騒動のおこりそうな筈がねえ。ところが、ここに一つ困ったことは、その奥さまの腹に生まれた嫡子の若殿さまというのが素晴らしい美男だ。どこでもいい男には女難がある。奥さまにお付きの女中がその若殿さまに惚れてしまった。昔から云う通り、恋に上下の隔てはねえ。女は夢中になって若殿さまにこすり付いて、とうとう出来合ってしまったという訳だ。どうで本妻になれる筈はねえが、こうなった以上、せめてはお部屋さまにでもなって、若殿さまのそばを一生離れまいという……。こりゃあ無理もねえことだが、さてそれがむずかしい。勿論お妾だから、身分の詮議は要らねえようなものだが、女は男よりも年上で、おまけになかなかのしっかり者で、まかり間違えば御家騒動でも起こしそうな代物だ。そんな女を若殿さまに押し付けて善いか悪いか。こうなると、ちっと事面倒になるじゃあねえか。ねえ、そうだろう」

云いかけて清吉の眼色を窺うと、彼はそれを避けるように眼を伏せた。年の割には白髪の多い小鬢のおくれ毛が、薄暗い行燈のひかりの前にふるえていた。

「燈台下暗しという譬えもある。まして大きい屋敷内だから、若殿さまと女中との一件を誰もまだ感付いた者がねえ。