Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
つづいてお関を斬った。その物音を聞いて、家来の誰かが駈けつけて来るらしいので、彼は縁側の雨戸をあけて、庭口から表へ逃げ出した。
伝蔵は主人と妾を斬っただけで、なんの獲物もなかったのである。それでは何のために重罪を犯したのか判らなくなる。彼は度胸を据えて、隣り屋敷の高木道之助の門を叩いた。高木は主人左京の本家で、次男の左京が福田家の養子となったのである。伝蔵は高木家の用人に逢って、主殺しの顛末をつつまず訴えた。
「これが表向きになりましては、五百石のお屋敷が潰れましょう。わたくしに三百両の金を下されば、黙って故郷へ帰ります」
主人を殺した上に、その本家へ押し掛けて行って、三百両の金をゆすろうとするのである。その図太いのに用人も呆れた。
しかしこの時代としては、これも強請の材料になる。主人が家来に殺された上に、その家に相続人が無いとすれば、福田の屋数は当然滅亡である。この一件を秘して置いて、どこからか急養子を迎えて、その上で主人の左京は死去したように披露すれば、なんとか無事に済まされない事もない。そこへ付け込んで、伝蔵は本家から口留め金をまき上げようと企らんだのであった。