Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
自分が人殺しをして置いて、その口留め金をゆするなどは、あまりに法外である。憎さも憎しと思いながら、前に云うような事情もあるので、用人も迂濶にそれを刎ねつけることが出来なかった。
「これは自分一存で返事のなることで無い。しばらく待っていろ」
伝蔵をひと間に待たせて置いて、用人はそれを主人に報告すると、道之助もおどろいた。ともかくも左京と妾はどうしたか、その生死を見届けて来いと、家来を庭口の木戸から隣り屋敷へ出してやると、主人も妾も絶命したと云うのである。道之助は憤然として用人に云い渡した。
「その伝蔵という奴、主人を殺した上に大金をゆするなどとは言語道断である。この上は福田の家の存亡などを考えているには及ばぬ。左様な不忠不義の曲者は世の見せしめに、召し捕って町奉行所へ引き渡せ」
家来どもは心得て、伝蔵召し捕りに立ちむかうと、その姿はもう見えなかった。彼もなかなか抜け目が無い。用人の返事を待つあいだも、絶えず屋敷内の様子に気を配っていて、形勢不利となったのを早くも覚ったらしく、隙を窺って怱々に逃げ去ったのである。高木の屋敷の人々は自分たちの不注意を悔んだが、もう遅かった。