Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
一年三両二分の給金を取る若党が、ふところに二両足らずの金を持っていたのは少し不審で、こいつも相変らず悪い事をしていたのじゃないかと思われますが、死人に口無しで判りませんでした」
これで六道の辻の一件は説明されたが、佐倉の一行に関する秘密は不明である。しかも半七老人の話を聴いているうちに、誰でも疑いを懐くのは下総屋という米屋の主人であろう。彼がこの事件に重大の関係を有するのは、どんな素人にも容易に想像されることである。私がそれを云い出すと、老人はうなずいた。
「そうです、そうです。金右衛門を斬って、娘のおさんをかどわかしたのは、下総屋の茂兵衛の仕業です。この茂兵衛という奴はなかなかの悪党で、店の若い者銀八というのを手先に使って、方々で盗みを働いていたのですが、商売は手堅く、うわべは飽くまでもまじめに取り澄ましていたので、近所は勿論、家内の者にも覚られなかったと云いますから、よっぽど抜け目なく立ち廻っていたに相違ありません。いつぞやお話をした唐人飴の一件、あの唐人飴屋が泥坊のぬれぎぬを着せられたのですが、あの辺を荒らした賊の正体を洗ってみると、実はこの茂兵衛の仕業だということが判って、青山辺ではみんな案外に思ったそうです。