Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
そんな例はほかにもある。したがって、亀吉や弥助はこの一件について、まだ幾分の疑いを懐いているらしかった。
「世間じゃあ豹だなぞと云うが、まさかに豹が町なかへまぐれ込みもしめえが……」と、亀吉も云った。「何かやっぱり狐か狸がいたずらをするのじゃありませんかね。現にその二人は、獣のようなものに出逢ったと云うじゃあありませんか」
「そんな事がねえとも云えねえが、小隊長の云う通り、どうも人間らしい匂いがするな」と、半七は笑った。
「だが、なぜそんないたずらをするのか、そのわけが判らねえので、どこから手を着けていいか見当が付かねえ。こうなると、なんでも手掛かりのある所から手繰って行くよりほかはねえ。弥助、おめえは、天神下に行って、藤屋のお房という女をしらべてくれ。なるべく当人に覚られねえようにするがいいぜ。亀、おめえは鮎川という歩兵の出這入りに気をつけてくれ。きょうの様子じゃあ、お房と鮎川とは訳があるかも知れねえからな」
「茶袋め、しゃれた事をしやあがる」と、亀吉も笑った。「ようがす。よく気を付けましょう」
「お房には兄貴がある筈で、そいつは何か小博奕なんぞを打つ奴らしいですよ」