Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 217.272 Zeichen · 434 Bildschirme
を相当に取りまとめて売ったということを、亀吉がふと聞き出して、その日の暮らしに困るというでも無いのに、年ごろの娘の着物をむやみに売り放すのはおかしい。してみると、房州の親類に預けたなどというのは嘘で、娘は死んだか、家出して帰らないか、二つに一つに相違ないと鑑定したんです。
そのほかに又こういうことがありました。丸多の店の菩提寺は中野にあるので、五月二十八日の命日に、女房のお才が番頭の幸八と小僧を連れて、多左衛門の墓まいりに行った帰り道に、淀橋の町はずれを通ると、その頃のここらには茅葺きの家がたくさんありました。その茅葺きの一軒の家で、庭の梅の実を落としている。垣根は低い四目垣でしたから、通りがかりながら見るとも無しに覗いてみると、梅の実を取っているのは二十三四の女で、それに不思議はないのですが、その時お才と幸八の眼についたのは、梅の木から木へ竹竿をわたして洗濯物を干してある。その洗濯物のなかに一枚の大きい風呂敷が懸かっていて、それが見おぼえのある丸多の店の風呂敷で、主人が家出のときに例の絵馬を包んで持ち出したものらしい。丸多の暖簾は丸の中に多の字を出してあるんですが、これには丸多の店のしるしが無く、家の定紋の下り藤が小さく染め出してある。