Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とけいとよっちゃん

時計とよっちゃん

小川 未明

Lesen Sie 時計とよっちゃん (とけいとよっちゃん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.066 Zeichen · 11 Bildschirme

Aozora Bunko

八

八

晩方、お父さんが、役所から帰ってこられると、お母さんは、よっちゃんが、針箱をふみ台にして、時計の長い針をまわした話をいたしました。お父さんは、よっちゃんが、りこうだといって、笑われました。そして、あの時計も、はやくガラスをはめなければならんと、いわれました。しかし、時計屋へ直しにやると、あとでほかに時計がないので不自由なものですから、一日、一日延びてしまうのでありました。お母さんは、どこか、もっと高いところへ時計を置いたら、よっちゃんが、いたずらをしないと思いましたから、翌日は、たんすの上へ置きました。

もう、よっちゃんは、針箱をふみだいにしても手がとどきませんでした。また、着物をいれるたんすは、脊が高いから、その前に立ってもよっちゃんは、円い白い時計の顔を見ることさえできませんでした。よっちゃんは、どんなにさびしく思ったでありましょう。けれど、時計をそんな、高いところに載せておくのは、お母さんにも、不便でありました。なぜならお母さんは、すわっていて、時間を見ることができなかったからであります。いつのまにか、お母さんは、また、時計を茶だんすの上へ持ってきました。