Japanische Klassiker mit Furigana
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つきとてぶくろ
月と手袋
江戸川 乱歩
Lesen Sie 月と手袋 (つきとてぶくろ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 80 Bildschirme
洋服ダンスから柔かいネクタイを三本抜いてくるんだ。それからあとは、洋服ダンスの鍵と、この書斎の入口、隣の寝室の入口、二つの部屋のあいだのドアと、三つのドアの鍵、それと、玄関のドアの鍵が入用だ」
「軍手、ジャンパー、ブラシ、ベルト二本、ネクタイ三本、鍵が三つ」あけみは指を折って算えた。「この部屋と、隣の部屋と、境のドアとはみんな同じ鍵だから、そのほかに洋服ダンスと、玄関のと、鍵は三つだわ」
「よしその通り。ア、ちょっと待った。三つの鍵はいつもどこに置いてあるんだ」
「洋服ダンスの鍵なんて、かけたことないから、把手にぶらさがってるわ。玄関と部屋の鍵は股野のズボンのポケットと、下のあたしの部屋の小ダンスのひき出しに一つずつ」
「それじゃあ、股野のポケットのを使おう。これは僕がとり出す。君はほかの品を全部集めるんだ。時間がない。大急ぎだッ」
あけみはもうふるえていなかった。舞台監督のさしずのままに動く俳優になりきっていた。彼女は所要の品々を集めるために、隣の寝室へ飛びこんで行った。
克彦は死体のそばに行って、ズボンの両方のポケットをさぐった。そして、わけなく二つの鍵を見つけた。