Japanische Klassiker mit Furigana
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つきとてぶくろ
月と手袋
江戸川 乱歩
Lesen Sie 月と手袋 (つきとてぶくろ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 80 Bildschirme
二
あれと同じだなと思った。しびれがきれたときのやり方で、血を通わせればいいのだと思った。肩の力を抜いて、腕を振るようにした。血が指先までめぐって行くのがわかった。やっと相手の頸にくっついていた腕がほぐれた。無感覚のまま、ともかく相手のからだから離れることが出来た。
躄が這うようにして、丸テーブルのそばまで行った。そして、まだしびれている手を、やっとのばして、飲みのこしのウィスキー・グラスをつかみ、あおむきになった口へ持っていって、たらしこんだ。舌が焼けるように感じたが、それが誘い水になって、少しばかり唾液が湧いた。
あけみがフラフラと、こちらに近よって来た。声は出なかったけれど、口があたしにもというように動いた。克彦はいくらかからだの自由を取り戻していたので、丸テーブルにつかまって立ちあがり、ウィスキー瓶をつかんで、グラスに注ぎ、それを口へ持っていってやった。金色のウィスキーが、ポトポトとこぼれた。あけみは自分の手を持ちそえて、それを飲んだ。
「死んだのね」
「ウン、死んじまった」
二人とも、やっとかすれた声が出た。
二
克彦は股野の頸の骨が折れてしまったと信じていた。