Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

つきとてぶくろ

月と手袋

江戸川 乱歩

Lesen Sie 月と手袋 (つきとてぶくろ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 80 Bildschirme

Aozora Bunko

おれはあけみさんを愛している。君には申訳ない。申訳ないが、この愛情はどうすることもできないんだ」

「フフン、よくもおれの前でほざいたな。それじゃ、おれの第三の条件を云ってやる。それはきさまに肉体の制裁を加えることだ」

股野は椅子から立ちあがっていた。たださえ青白い顔が、酔うと一層青ざめる。藍色に近い顔に、目は赤く血走っていた。アッと思うまに、克彦はクラクラと目まいがして、椅子からすべり落ちていた。頬に烈しい平手打ちをくったのだ。

「なにをするかッ」

夢中で相手にむしゃぶりついて行った。今度は股野の方が不意をうたれて、タジタジとなり、二人は組み合ったまま、床にころがった。お互に相手の鼻と云わず目と云わず掴み合った。最初は克彦が上になっていたが、股野が巧みに位置を転倒して、針金のような強靱な腕でのどをしめつけて来た。咄嗟に「おれを殺す気だな」という考えがひらめいた。

「そんなら、おれも殺すぞッ」

克彦は、両手に靴を持って、泣きわめきながら、いじめっ子に向かって行く幼児のようになって、めちゃくちゃな力をふりしぼった。いつのまにか上になっていた。のどをおさえようとすると、股野は夢中でそれを避けて、クルッとうつむきになった。