Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かきのたね

柿の種

寺田 寅彦

Lesen Sie 柿の種 (かきのたね) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 70.202 Zeichen · 139 Bildschirme

Aozora Bunko

総合的ではない。

たいていの人間は一種のアウトマーテンである。

あらゆる尊敬すべききまじめなひからびた職業者はそうである。

そうでないものは、英雄と超人と、そうして浮気な道楽者の太平の逸民とである。

俳諧の道は、われわれをアウトマーテンの境界から救い出す一つの、少なくも一つの道でなければならない。(昭和三年五月、渋柿)

*

梨の葉に黄色い斑ができて、毛のようなものが簇生する。

自分は子供の時から、あれを見るとぞっと寒気がして、そして自分の頬からこめかみへかけて、同じような毛が生えているような気がして、思わず頬をこすらないではいられない。

このごろ庭の楓樹の幹に妙な寄生物がたくさん発生した。

動物だか植物だかわからない。

蕈のような笠の下に、まっ白い絹糸のようなものの幕をたれて、小さなテントの恰好をしている。

打っちゃっておけば、樹幹はだんだんにこのために腐蝕されそうである。

これを発見した日の晩に、ふと思い出すと同時に、これと同じものが、自分の腕のそこやかしこにできていそうな気がして、そしてそれが実際できているありさまをかなりリアルに想像して、寝つかれなくて困った。