Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かきのたね

柿の種

寺田 寅彦

Lesen Sie 柿の種 (かきのたね) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 70.202 Zeichen · 139 Bildschirme

Aozora Bunko

人の悪事を聞いたり読んだりして、それが自分のした事であるような幻覚を起こして、恐ろしくなるのと似た作用であるかもしれない。

そして、これは、われわれにとって、きわめてだいじな必要な感応作用であるかもしれない。(昭和三年七月、渋柿)

*

始めて両国の川開きというものを見た。

河岸に急造した桟敷の一隅に席を求め、まずい弁当を食い、気の抜けたサイダーを呑み、そうしてガソリン臭い川風に吹かれながら、日の暮れるのを待った。

全く何もしないで、何も考えないで、一時間余りもポカンとして、花火のはじまるのを待っているあほうの自分を見いだすことができたのは愉快であった。

附近ではビールと枝豆がしきりに繁昌していた。

日が暮れて、花火がはじまった。

打ち上げ花火はたしかに芸術である。

しかし、仕掛け花火というものは、なんというつまらないものであろう。

特に往生ぎわの悪さ、みにくさはどうであろう。

「ざまあみろ。」

江戸ッ子でない自分でもこう言いたくなる。

一つ驚いた事を発見した。

それはマクネイル・ホイッスラーという西洋人が、廣重よりも、いかなる日本人よりも、よりよく隅田川の夏の夜の夢を知っていたということである。