Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さくらじま

桜島・日の果て・幻化

梅崎 春生

Lesen Sie 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.810 Zeichen · 345 Bildschirme

Aozora Bunko

私はまだ若いのだ。いわば青春のさなかにいるのだ。不思議な頽廃にいるおかげで、世の女等は遥かな所に遠ざかる。私は卓をたたいて二本目のお酒を注文した。

私が二本目を飲んでいると、表の扉をあけて天願氏が影のように入って来た。顔が蒼ざめている。二日酔いのせいなのだろう。酔っぱらった天願氏をかつぎこんで寝かせたのは私である。やあと天願氏がこわばった笑い方をした。どうも昨夜は失礼。何が何だか判らなかった。そう言って天願氏は腰を下した。

私達はそこで更に五六本の酒を飲んだ。だんだん酔いが廻って来て、気持が快よく流れ出した。自分をいたわりたい気持と自分を虐げたい気持が、奇怪な調和を保ちながら、私を饒舌にした。私は私の苦しみを誇張して天願氏に話した。誇張して語ることに、私は何か快感を感じていた。

天願氏が言った。

「それは僕だってデカダンスの徒と言えるだろう。生活だってだらしないし、気持もそうだからね。しかし僕の頽廃というのも、僕にはちゃんとその根が判っている。どうして自分がこんな状態になったか、その原因がはっきりしている。もっともはっきり判ってても仕方がないんだが。