Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もりのくらきよる
森の暗き夜
小川 未明
Lesen Sie 森の暗き夜 (もりのくらきよる) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.725 Zeichen · 18 Bildschirme
七
啼いていた小鳥は、夜の、黒色の翼の下に隠れて眠ってしまった。
今、赤い爛れた目のような、ランプの下に坐っている女は、一人でなかった。背に、小さな乳飲児を負っていた。子供は、すやすやと眠っている。力なげなランプの光りが、ここまで達しなかった。
その児は痩せている。口が尖っている。呼吸をする毎に、胴腹の骨が、ぴくりぴくりと浮き出て、また引込んだ。眼は大きく、皿を篏めたように飛び出ていた。頭髪は、幾十本か、数える位しか固まって生えていなかった。口は大きくて、開いている。この世界の空気が堅くて、吸うのが困難のように見受けられた。胴より、割合に大きな頭が、女の背に投げ出されている。
七
この貧弱な体を、黒い、強い縄で縛ったようだ。細い紐は母親の体に括り付けている。呼吸をするたびに、弱々しい胴骨がびくりびくりと暗に浮き上るようだ。
女は、黙って下を向いて仕事をしている。後姿を見ると、赤茶けた頭髪が、ランプの光りを受けて、衰えた光りを反射していた。ランプの光りは、また紫色の唇にも達している。もはや昔のように厚くはない。眼も、しょんぼりとして頬の肉も削げてしまった。