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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme

Aozora Bunko

――そしてまた、涌谷どのですか。

「涌谷はなにを申し出たのだ」

――境論でございます。

「境論だと」

――寺池(式部宗倫)さまとの領地境の争いについて詳しく申し述べ、

「それはわかっている」

――その件について老中への執成しを願い出ましたところ、幕府から内命があって、事情を聞くために柴田外記が召されました。

「それも知っている」

――柴田が仙台を立ちましたのが二十五日、それと同時に涌谷どのも、その在所において首途の祝宴を催しました。

「首途の祝いとな」

――口上にそう申しております。

「では出府する気だ」

――また同じ二十九日には、菩提所円同寺に石水和尚を訪ねて、自分の法名を乞い、見竜院徳翁収沢居士とつけられたということです。

「間違いない、いよいよ出府する気だ」

――以上でございます。

「よし、使者を労ってやれ」

――こんどこそ時節到来でございますな。

「隼人もそう思うか」

――これまでに、幾たびかそれらしい折もございましたが、このたびほど事の重なった例はございませんでした。

「席次の争いが口火だった」

――伊東七十郎一族の処刑、里見十左衛門の死と、その跡目の問題、奥山大学の訴訟、今年にはいってからは、さきほど申上げました屋代五郎左衛門ら五名の、国目付に対する強訴、そして涌谷どのの出府、これだけ揃えばもはや充分でござい