Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.078 Zeichen · 285 Bildschirme
議題の一つは「桃生郡小野の館主、伊東氏再興の可否」であり、その二は「長沼玄叔処罰」の件であった。
伊東七十郎とその一族罪死、という悲惨な結末をのこして、采女は伊達式部に預けとなり、小野の伊東氏は改易になった。それは四月のことであるが、その後、伊東の家従である高野兵右衛門、斎藤徳右衛門らが、徒目付の横山勘右衛門を通じて「伊東家再興」の嘆願をつづけていた。
――采女には叛意はなかった。
かれらはそう証言した。
――茂庭主水から出頭を命ぜられたとき、采女はすぐ主水の屋敷まで出るつもりだった、そこへ里見十左衛門と伊東七十郎が来て、いろいろと誣言し教唆した、采女は養子のことでもあるし年も若いので、二人に威され云いくるめられた結果、心ならずも同意しただけである。
この点は家従たちが現に見ていた事実であるから、ぜひ家名再興のお沙汰があるよう、老職がたの御配慮が願いたい、とかれらは繰り返し云うのであった。このことは、老職はじめ家中一般から支持されていた。というのは、采女と七十郎は一ノ関の兵部宗勝を刺殺しようとしたのであり、明らかに首謀者とみられる七十郎と、その一族に対する過酷な処罰によって、采女に対する同情と、一ノ関への反感が強まっていたからであった。