Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme
生れ変って、誰にもうしろ指をさされないような女になることができたら、そうして、あなたがもしおいやでなかったら、あたしはあなたの妻にしてもらうつもりだった。
「むりになりたいんじゃなく、もしかおいやなら、一生ひとりで暮してもいい、ただ、この気持を知ってもらえさえすれば、生涯、尼のように暮しても本望だと思っていたのよ」
けれどもあなたにはわからなかった、勘づきもしなかったわ。ひどい、あなたは男でしょ、女がこんなところへ男を呼びだして、あんな恥ずかしい身の上話をなぜするのか、男ならすぐにそのわけがわかる筈よ。もしも、ほんの少しでもおみやが好きだったら。
「それをあなたは」ああ、とおみやは激しくかぶりを振った、「あたしのことなんか思いやってもくれなかった、あたしの気持なんか察しもしないで、自分のことばかり考えていた、ひどい、あんまりひどいことよ、それなら兄と同じじゃないの、たとえなんのためにしろ、証書を盗みださせるのは、同じことだわ、ちっとも兄と違いはしなくってよ」
それはあんまりだ、黒田さんがそんなことを頼むなんてひどすぎる、あんまりひどい。ほかの人ならともかく、あなたがそんなことを頼むなんて。