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Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme

Aozora Bunko

――こいつらも長くはないな。

六郎兵衛はそう思いながら、ぎらぎらした眼でおきのを見、志保を見た。上品ぶった面はしているが、ひと皮剥けばこいつらは牝だ、色と欲で固まった牝にすぎない。彼はこれまでに知った女たちの、幾人かを思いだした。色情と物欲のほかには、なにものにも、些かの価値も認めない女たち。六郎兵衛はそういう女たちが好きであった。はっきり色と欲に割切っているほうが、「女」としても扱いやすく、かつ面白かった。

彼はまじめで上品ぶった女を見ると、そのかぶっている皮を剥いで、正躰をあらわしてやりたいという、衝動を強く感じた。あらゆる「女」は女であった。みんな底なしにいろ好みで、嘘つきで、欲が深い。女というやつは、自分がみた夢の話しさえ、正直には云わないものだ。しかし、彼はそれを非難するのではなかった。彼にとっては、それが「女」というものであり、それでこそ愛することができるので、それ以外の女がいるということは、考えもしなかったし、信じられないことであった。

縁側も窓も雨戸を閉め、燭台を三つ脇に置き、片肌ぬぎになって、彼は酒を飲んでいた。三日まえから戸を閉めたままなので、座敷の中は暑く、人いきれと酒の匂いとで、空気は泥水のように重く、濁っていた。